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Ingmar Bergman Revisited: Performance, Cinema and the Arts

今日紹介するのは、私が進学予定のストックホルム大学映画学科所属のベルイマン研究の大家Maaret Koskinen編 Ingmar Bergman Revisited: Performance, Cinema and the Artsです。

 

私が最初に読んだMaaretの論文は正確にはどれだったか忘れてしまいましたが、彼女の著作 Ingmar Bergman: “Allting föreställer, ingenting är” Filmen och teatern – en tvärestetisk studie を読んだことは、私にとってまさしく僥倖というか、私自身がベルイマン作品を観てずっと感じていたことを、的確に言語化してくれているかのような感動と感銘を与えてくれた一冊です。それがきっかけで、彼女の博士論文(Spel och speglingar : en studie i Ingmar Bergmans filmiska estetik )や『沈黙』の多角的考察(Ingmar Bergman’s The Silence: Pictures in the Typewriter, Writings on the Screen)、雑誌への寄稿論文等を複数読みましたが、とにかくそれまで読んだことのあった他の研究者によるベルイマン論にいまいちしっくり来ないものを感じていた私に、全く新しい洞察をもたらしてくれるものばかりでした。

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Ingmar Bergman:A Critical Biography

前の投稿から、えらく時間が経ってしまいました。

スウェーデンに行くまでに、持っているベルイマン関係の本を既読・未読のもの含めて読み直そうと意気込んでいる今日この頃です。読み終わったものからこちらで紹介していきたいと思います。

今日紹介するのは、初回にふさわしくベルイマンのキャリアを概観できるIngmar Bergman:A Critical Biographyです。リンク先のものは1992年の再版なので、私が持っているのとは表紙も(恐らく内容も)少し異なっているかとは思いますが…。

私が持っているのは多分初版の1982年版。↓のような表紙です。

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Ensam

先日アップしたAgrellのEnsamを読了しました。

以下ネタバレを含むあらすじです↓

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Alfhild Agrell

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4月19日放送のP1 Kultur/ Kulturnyttの劇評で取り上げられていたのが、Norrköpingの劇場での公演Ensam。イプセンやストリンドバリの名前と共に挙げられた戯曲の作者は、Alfhild Agrell(アルフィルド・アグレル)という聞き慣れない名。気になってざっとWikiをチェックしてみると、1880年代に人気を博したが、やがてスウェーデン演劇史の中で忘れ去られてしまった女性劇作家で、近年再び注目を集めている人物らしい。上演作品Ensamは、未婚の母であるトーラと、その娘イングヴァをめぐる物語で、婚外子であるイングヴァの出自が彼女の結婚の障害となる中、トーラの過去も関わってきて一悶着が起こる…といった内容のよう。

これは面白そうなので、もう少しちゃんと調べてみました。

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部屋とバリマンと私

はじめまして。

わたくし、イングマル・ベルイマンに魅了されてスウェーデン語の勉強を始め、スウェーデンに留学に行き、ベルイマンの住んだフォール島にまで行ってしまった折り紙つきのベルイマンラヴァーです。

つい1カ月ほど前、無事に大阪大学外国語学部を卒業し、この夏から念願叶ってストックホルム大学のシネマ・スタディーズ修士課程への進学が決まりました。やっと研究者の卵としてスタート地点に立った今、何か新しく始めたいと思い、このサイトを開設しました。

バリマン(ベルイマンのスウェーデン語読みをカタカナ表記するとこれが一番近いので、ときどき使います)から始まって、スウェーデン語という言語自体が好きになり、スウェーデンという国の文化全体に興味を持つようになりました。私に発信できることはそんなに多くないかもしれませんが、私が面白いと感じたことを誰か他の人にも面白いと思ってもらえたらいいな、という仄かな期待を胸にこれから何やかやと書いていきたいと思います。

バリマンだけでなく、まだ日本では母数が少ないスウェーデン語話者の端くれとして、学習の参考になることや、スウェーデンの映画、文学、演劇、芸術等々について情報発信していきたいと思います。

少しでも楽しんで頂ければ幸いです。